互換ホットエンドとヒートクリープ

nanoDLP

以前の記事にてTZ1.0~3.1までご紹介しましたが、実際に手元にあるものを使ってみたものとちょこっとの考察をしみてました。各ホットエンドそれぞれでメリットデメリットがあるとは思いますが、それぞれのネガな部分は組み方次第で改善可能ではないかと思います。

各ホットエンドの特徴と使用時の注意点をまとめてみました。

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TZ1.0

TZ1.0を見ると、抑え金具とヒートシンク側の2か所で線接触が2か所あります。抑え金具側は線接触っぽいですが一応シャフトに沿ったRになっているようなので、こちらは面接触といっていいかもしれませんが、ヒートシンク側にはあまり触れていないので、抑え金具と、ヒートシンクの2か所が熱伝導される対象となるとみています。

そのまま使った状態でも、比較的まともに印刷できてはいたのですが、室温とかの都合で何をやっても不安定になることがあったので、図の白いシャフト部分を一度ばらして、サーマルグリスを添付して効率よく熱伝導させるようにすることでさらに安定しました。
デメリットとしては、純正ホットエンド同様シャフト部が細いので、印刷物を取り忘れたりしてぶつけると簡単に曲がってしまいます。(私も実は純正で2度ほどダメにしました。)

※組み込み時に一度分解しシャフトの周りにサーマルグリスを塗布することを推奨します

TZ Hotend For Bambu Lab X1 P1P
Trianglelab TZ Hotend For Bambu Lab X1 P1P TZ Modular Printhead Assembly Hardened Steel Nozzle Extruder Kit VORON 3D Pri...

TZ2.0

TZ1.0がでてほどなくあらわれた、TZ2.0ですが正直ネット上での評判はあまりよくなく、よくPLAを使用するとヒートクリープを起こしてトラブルを起こすといわれています。それもそのはず、TZ1.0と比較すると、ヒートシンクへの設置している面積が半分ほどとなっており、なおかつ銅素材が使われているため熱を伝えやすいもののため込みやすい素材になっています。
 逆に銅が使われているからこそ、やわらかい素材なので、押しつぶすことができ、密着面積を増やすことができる利点もあります。
当ラボでも実は購入直後、ほんと冷えずに当環境ではあまり使わず死蔵していたのですが、TZ1.0でもヒートクリープが出ることから、こちらもサーマルグリスをいれて効率よく熱を伝えることがでかなり改善してそうに思います。

メリットとしてはTZ1.0や純正ノズルの弱点であった、ぶつかったときに曲がらないように根元部分が強化されたことで少し強くなっています。ただほかのところを壊しそうなのでちょっと怖いと、肉厚が分厚くなっているため熱をため込んで仕舞うのでそれが悪さしてそうなときもありましたが、熱にシビアなPLA以外のABSやPETGなどでは影響はわずかだと思います。

※組み込み時に一度分解しシャフトの周りにサーマルグリスを塗布することを推奨します

TZ 2.0 Hotend For Bambu Lab X1 P1P
Trianglelab TZ 2.0 Hotend For Bambu Lab X1 P1P TZ Modular Printhead Assembly Hardened Steel Nozzle Extruder Kit VORON 3D...

TZ3.0

そして進化系ともいえるTZ3.0が発売されましたが、初期型のTZ3.0は一番トラブルが報告されていたモデルになります。
漏れるというトラブルが散見されましたが、
使ってみたところそのままだとほんとヒートシンクが全くといっていいほど機能していません。溶けたフィラメントが挿入部から漏れてきます。
それもそのはず、差し込んでいるだけで押し付けてもおらず、組付け具合によってはフローティング状態です。高価な銅製ヒートシンクをおごっても、そこに熱を伝えれておらず、非常に効率の悪いことになっています。赤丸のシャフト部分にサーマルグリスを塗布して組みなおすことで、なんとかまともにプリントはできていました。

TZ3.0を買ってこちらが届いちゃった人もあきらめないでグリス塗布しましょう。

もう一つ好印象だったのは、TZ3.0からホットエンド側を固定できる簡易レンチが付属するようになっており締め付けがより確実に行えるようになっている印象です。


※組み込み時に一度分解しシャフトの周りにサーマルグリスを塗布することが必須です。爆死します

TZ3.1(現在流通しているTZ3.0)

そして改善されたといわれている、2024年10月現在流通しているTZ3.1ですが、銅製ヒートシンクにシャフトが圧入され熱伝導効率は歴代最大になっています。

ただ、私的にはこの構造うーんと少し悩みました。
 なぜかというと、このモデルからファンの導風のために黒いプリントパーツがついてくるのですが、これがまた曲者でファンの風を送る羽の前を完全にふさいでおり、窒息してしまっているのです。これによりファンの風切り音が大きくなっていることもあり、当ラボでは黒いパーツを取っ払って風を通す方向でつかっています。
こちらに関してはまだ短時間しか使用できていないのですが、ひとまず2024年10月現在の選択肢としては一番良さそうな印象を持っています。

TZ 3.0 Upgrade Hotend for bambu 3D printer
Trianglelab V3.0 HS 3D Upgrade Bambu Lab X1/X1 Carbon Hot End Efficient Heating、High Temperature Printing、High Performan...

これまで当ラボでの実績上TZ3.1の検証が終わっていなかったのと、TZ1.0 TZ2.0だけを比較するとヒートクリープが少ないことからTZ1.0をおすすめしておりましたが、2024年9月現在すでにTriangleLab公式でTZ1.0が検索しても出てこなくなっていることから、製品としてそろそろ終息しかかっているようです。kaikaS1140の導入にあたり、追加でTZ1.0の購入をした際でもAliexpressではTZ2.0とTZ3.0ばかりとなっておりTZ1.0の入手性が悪くなっている様子でした。

今から導入するのであればそれぞれ一長一短ありますが、ノウハウもたまってきていますしどれを選んでも問題なく運用できそうに思っております。

くれぐれも加熱した状態での増し締めをお忘れなく!

楽しい3Dプリンタライフを!

※改造するとメーカーのサポート等は受けられなくなる恐れがあります
ご利用は計画的に

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